役員の紹介

鈴木雄二(すずきゆうじ) 理事

鈴木雄二(すずきゆうじ) 理事

みなさまへ

坂東理事長の「女性の品格」と同様に、皆さんと一緒に「国家の品格」に付いて、考えてみたいと思います。

今、世界の “mindset” が変わろうとしています。1960年に Kennedy政権が生まれて以来、アメリカでは従来の “mindset” (米国に依る世界の軍事的・経済的強権や建国以来の奴隷制の実質的な存在が当たり前の考え方)が、Kennedy大統領の “Strategy for Peace” (平和への戦略)で、大きくシフトされました。それは、軍事のみに頼らない、Peace Copeの創設や公民権運動の推進、等の始まりです。 以来「差別」や「言語の蔑視的発言」は次第にタブー視され、”Ugly American” と云われていたアメリカ人や開発途上国に於ける反米的気運(日本も当時1960年代は安保闘争等で揺れ動いていました)は収まり始め、新しい“mindset” が生まれ始めました。世界が共存共栄して、発展し、黒人始め、移民の差別撤退、minority への政策的配慮・優遇措置を通して、彼らの力も社会的に活用し、社会の多くの分野に門を広げて行くという流れです。
半世紀以上も掛けて営々と築き始めたこれらの良識ある ”mindset” が、最近の世界の政治的動きで壊され、Ugly と云われかねない“mindset” が生まれそうな昨今の状況を鑑み、みなさんと一緒に「国家の品格」について考えてみたいと思い至った次第です。

「国家の品格」を得る為には、国民に依る、良い “mindset” が先ず始めに形成されなければならないのは、自明の真理といえましょう。又、自他共(自国は元より、外国からも)に尊敬され、誇れるものでなければ「品格」は得られないでしょう。
「品格」を得る一つの方策としては、「人道的」な立場に立ち、それを国の基本として、人道的国家を築く事ではないかと思います。日本は世界に類を見ない「平和憲法」を掲げている国です。これだけでも、大変なものです。この憲法の生まれについては色々な意見があるようですが、要は生まれがどうのこうの問題では無く、“いいものは、いいものなのです”。

ではどのようにして、品格ある人道国家を形成出来るのか?
それ程、難しい事では無いと思います。先の国会で政府は今年の国家予算97兆4547億円を組み、防衛費に5兆1251億円を充てています。
「人道的」な組織としては、皆さんもご存知のスイスの「赤十字」があります。スイスは常に中立国の立場を取って、世界に対しては「赤十字」等を通して人道的な貢献をしています。この国は、第一次も第二次世界大戦にも侵略や被害を、他のヨーロッパ国々のように蒙っていません。「軍備」では無く、「人道」と「中立」が防衛をしたのです。
日本も「人道」と「平和憲法」を世界に翳して、世界からの賞賛を得ながら、同時に「国家防衛」を図れると思うのですが、如何でしょうか?

具体的な考え方を、一例を以って述べたいと思います:
先ず、世界的な、最高水準の医療機関(約5千億円規模のものを2カ所)を創り、世界最高レベルの医療学者・医者等を世界中から年俸1億円程度で、1000人程(1千億円)集めます。さらに医療を志す学生を10,000人程集め、授業料は無料として、生活費として500万から1000万円の補助(約500億から1000億円)をします。此れ等の合計金額は、1兆円2千億で、国防費の4分の1にも満たしません。将来学生数が5倍以上増えても2兆円にもなりません。
医療(弁護士や会計士もそうですが)の世界は、その国で資格を取った人で無ければその国での医療行為は出来ませんから、日本の医者が、海外で医療行為をすることは出来ません。ですが、日本でこの様な医療機関(世界中からの医者と学生で成る)で学び、資格を得た人たちが世界中で、医療をする事が出来るようにすることは可能かと思います。

では、こうした無料で世界的に医療行為が出来る学生は卒業した後は、どうするのか? 資格を得た後は、5年位は世界各地で医療を必要とする国々で医療奉仕をします。生活費は年間1千万円程と計算した場合、日本が負担する費用は1万人で1千億円程度です。国防に使う費用と比べれば、非常に僅かです。しかし、これによって日本は防衛されるのです。
こうした「人道的国家」、「品格」のある国を誰が攻めるでしょうか?

現状の防衛費用は年々膨れ、近隣諸国への緊張は高まり、日本人の気分も不安、焦燥が増していくばかりです。従来の、軍備に依る軍備の防衛は過去のものとして、新しい「防衛」を考えるときが来ている様な気がします。国民の税負担も軽く、費用効果は大で、安心出来できる「防衛施策」です。
参考迄に、アメリカの軍事評論家によると、日本は現在の10倍の軍事力を保有しても、今の仮想敵国にはとても勝てないと言っています。なぜなら、核保有をしていない我が国は集中的に攻められ、国土面積、人口に於いても仮想敵国は日本を圧倒しております。よって、日本は戦っても全く勝ち目のない戦争に挑むことになります。

このような事を申し上げるのは、みなさんの間で、「平和への希求」、「国家の品格」等について話し合う材料にして頂ければとの思いからです。みなさんの若いフレッシュな感覚と頭脳で、このようなことについても意見を聞かせて頂ける機会がありますことを楽しみしております。

プロフィール

選任条項 理事(寄附行為第6条第3号)
出身地 ブラジル サンパウロ市
最終学歴 シカゴ大学大学院修了(修士:数理統計学)
趣味 読書、美術・博物館巡り

経歴

昭和45年9月〜昭和46年6月まで University Fellow として Center for Mathematical Studies in Business and Economics にて研究教職に従事
昭和47年1月 トライウォールコンテナーズ 米国本社(NY)入社
昭和48年 9月 同社・日本(福岡製紙株式会社)との合弁契約締結
昭和49年 2月〜平成6年 3月まで トライウォール福岡コンテナーズ(日本)株式会社(トライウォール株式会社の前身)設立
同社総責任者(平成6年3月まで)
平成 7年12月〜現在に至る トライウォール株式会社を独自資本にて再設立
同社代表取締役会長兼グループCEO
平成22年 6月〜現在に至る グループ持株会社の拠点をトライウォール株式会社からトライウォールリミテッド(香港)に移転
トライウォールリミテッド代表取締役兼グループCEO
平成29年4月〜現在に至る 学校法人昭和女子大学理事

座右の銘

和して同ぜず

(ケイテンアイジン)

19才のときに米国に留学し、29才のとき日本に戻ってきたとき、イザヤ・ペンダサン(山本七平)の日本人とユダヤ人と云う本がかなり流行っていて、買い、読んだところ、”西郷隆盛を嫌う人などはいない”とういような文章に会い、それから西郷に関する本を片っ端から読んで、後の言葉を知り、それ以後、これを座右の銘にしています。


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